写真家アーウィン・ウォンが撮る、郡上の下駄職人
下駄職人のこだわりと想いを写し出す。
人気写真家 アーウィン・ウォン(Irwin Wong)氏が見た、
郡上おどりの下駄づくり
日本の職人をライフワークとして撮影している写真家、アーウィン・ウォンさん。
これまで、長良川鵜飼の鵜匠や、岐阜和傘の張り師の写真をご紹介してきました。
香港出身のアーウィンさんは、光と影を自在に操り独特の色彩感覚が魅力の写真家。
職人の魂も切り取る世界観は、見る人を釘付けにしてしまう迫力があります。
アーウィンさんは職人を撮るため、郡上市へも足を運んでいます。
今回は、下駄職人を撮影した作品をご紹介します。
郡上の夏の音を作る、踊り下駄
長良川上流の岐阜県郡上市で、400年にわたって踊り継がれている郡上おどり。 今年も7月8日(土)~9月2日(土)の期間で開催されます。 全10種類のおどりを夜通し踊り続けるために欠かせないものが、下駄です。
今回アーウィンさんが出会ったのは、 下駄ブランド「郡上木履(ぐじょうもくり)」を立ち上げた、職人の諸橋有斗さん。
諸橋さんのつくる下駄の特長は、 「カッ!カッ!」と高らかな音が鳴り響くための素材選びや、 長時間の踊りに耐えうる強度になるよう、台と歯を1枚の木から切り出す 継ぎ目のない形などにあります。
郡上産の木材や鼻緒を使用し、作業の全工程を郡上で行う 「メイドイン郡上」がこだわりです。
客が鼻緒を選ぶと、諸橋さんがその場で取り付けます。 履く人の足のサイズ、履き心地、丈夫さ、バランスなど全てを計算し、 無駄のない手さばきで鼻緒をすげます。
指に残る豆。ぎゅっと絞める手に注ぐ力。一つ一つの作業に想いを込める集中力。
アーウィンさんの写真からは、言葉はなくとも、 諸橋さんが使う人への愛情、祭りへの愛情、郡上のまちへの愛情を静かに下駄に込めている様子が伺えます。
<写真家アーウィン・ウォン(Irwin Wong) 人物紹介> 香港生まれ、オーストラリア育ちで、現在は東京を拠点に活躍。 アエラ、フォーブス、ワシントンポストなど、世界20か国以上の雑誌で活躍する写真家。 俳優や建築家、あらゆる業界の大物を写真におさめています。 光を強く意識して人物を撮影することに定評のある彼が、ライフワークとして撮っているのが「日本の職人」シリーズ。 鵜匠を日本のアルチザン(職人)として撮影するため、岐阜を何度も訪れています。 型にはまらない独自の世界観と色彩感覚が魅力。口数は少ないが笑顔がチャーミング。
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